林業体験

先日、また林業体験に行ってきました。
先月も林業体験にはいっていたのですが、
忙しくて記事にしていなかったので合わせて書こうかと思います。
先月は間伐作業を勉強し、
今月は枝打ち、薪割り作業を勉強しました。
間伐は夏にも講座がありましたが、復習を兼ねて、立木を数本倒しました。
影山が伐倒しています。




狙った方向にきれいに倒れました。
今回は伐倒した木を短く玉切りし、薪割りをします。


薪ストーブは2回だか3回体を温めるなんて話をききますが、
慣れない薪割りは暖めるどころか汗がでるくらい体が熱くなりました。

影山は運動神経が良いからか、最初から薪割りが上手です。
いきなり太い丸太をパッカーンと割っていました。
お次ぎは枝打ちです。
腰に付けたベルトに結ばれたロープを立木に回し、
簡易的なはしごを利用して木に登ります。

木の上からの眺めはなかなかに爽快で、スポーツとしても楽しめそうだなと思いました。
最近、岩を登るボルダリング(フリークライミング)が流行っていると聞きましたが、
木に登って、おまけに枝打ちをして、森がきれいになる、
エダウチングを流行らすというのはどうだろうと思いました。
ぜひ、なにかの記者の方は「エコとエクササイズの新提案エダウチングが長野で静かなブーム!」
と焚き付けてみてはいかがだろう。
杉や松の小枝は、実際に火の焚き付けには最高だそうですよ。

枝打ちの目的は、枯れ枝や、日の当たりづらくなった枝を切り落として、
節の少ない木に育てることにあります。(木材の節は枝が生えていた跡)
節の少ない材料は美観が高いので、節の多いものに対して高値で取引されます。
きれいな木製品を作る以前に、きれいな材料を作るため、
​なんとも地道な作業があることに改めて思いいたりました。
 

林業体験。

先日、林業体験というかキノコ体験をしてきました。
まずは座学で森とキノコの切っても切れない関係を学びました。
キノコは生物のサイクルの中で還元者と呼ばれ植物や動物を分解し土に還します。
一般的な林では落ち葉だけでも1ヘクタール(100m×100m)あたり3トン落ちるそうです。
秋にはフカフカだった落ち葉の絨毯が
一年あまりで土に還るのはキノコなどの菌類のおかげだそうです。
僕が一番勉強になったのが、
キノコには大きく分けて腐生性のキノコと菌根性のキノコがあるということでした。
腐生性のキノコは落ち葉や枯れ木などから栄養を取って成長するキノコで、
シイタケ、マイタケ、エノキ、などです。
菌根性のキノコは樹木の生きた根と結合して菌根を作り、寄生的、共生的な生活をするもので、
マツタケ、ホンシメジケ、テングダケ、など。
僕は前々からマツタケも培養に成功すれば、うちの食卓にも並ぶ日が来るのではと思っていました。
中野市にはキノコ工場が沢山あるので、
キノコ生産者の人びと、がんばれ~!と密かに応援していた訳です。
ところがなるほどです。
まつだけ無駄、まぁここはまつたけ無駄というべきでしょうか、
腐生性のキノコは培養が容易であったり、可能性がありますが、
菌根性のキノコであるマツタケはアカマツの木の根に寄生(共生)して成長するので、
工場などでの計画的生産は、今のところ可能性はなさそうです。
ということでうちの食卓に並ぶ日も、まぁ、まつたけ無駄ということですね。
(マツタケなどの菌根性のキノコは木の根に寄生すると考えられてきましたが、
キノコが木から栄養をもらうだけでなく、
木の方もキノコから窒素や水分をもらうことが分かり、
菌根性のキノコは木に一方的に寄生するのではなく
互いに助け合う共生関係にあると考えられるようになりました)
ちなみに現在のマツタケの生産量(地物)は長野県がダントツのトップなのだそうです。
生産量自体はず~っと横ばいなのですが、他県の生産量が毎年落ちているとのこと。
マツタケ菌はデリケートなので、他のキノコの菌がいると競争に負けてしうので、
腐生性のキノコなどが生えないように、
木の下の枯れ枝や落ち葉を適度にきれいにする必要があります。
マツタケの生産量が落ちているのには、かつての里山のように薪を拾ったりと、
人が森に手を入れなくなったとことも原因だそうです。
マツタケは松と共生するだけでなく、人とも共生関係にあったといえるでしょうか。
マツタケがはえてくるのをまつたけではだめという訳です。
近年では松くい虫の害などでアカマツが枯れてしまいマツタケもいなくなってしまうそうです。
松がいてこその松茸という訳です。
さて、座学はこれぐらいにしまして、実際に森に入ってキノコを観察しにいきましょう。
というかキノコ採りに出かけました。


右は林業センターで育てているシイタケ。
左は毒キノコです。

シカさんの骨と、毒キノコ。

これは食べられるキノコ。

これも食べられるキノコ。

食べられるキノコを覚え、それだけを穫って食べればよいとの教えでしたが、
専門家でも判断が難しいものや、
去年まではおいしいキノコと図鑑で紹介されていたものが、
死亡事故が起きたため今年から毒キノコ指定ということもあるので、
素人が安易に手出ししてはいけない世界だと思いました。
食キノコ、毒キノコの判断は毒の成分が検出されるとかではなく、
今までに人びとに起きた症状や中毒事故による経験則が全てなのだそうですから、
美味しそうなどという直感はしまっておきましょう。
僕が小さい頃は赤くて白い斑点のあるキノコを食べると、
「トゥルルッ」という音がして大きく強くなれると聞かされてきましたが、
どうやら100%死ぬようです。
お気をつけ下さい。
食べてみるならならクリボーの方がよいかもしれませんね。
お昼に先生が調理してくれたキノコ汁をいただきました。
いろいろな意味で深い味わいがしました。
キノコに森にごちそうさま。
 

みんな、よくできました!

日曜日に、『信州の工芸家展 ~4人の作家の表情~』が開催中の
「世界の民俗人形博物館」にてワークショップをしてきました。

夏休みらしい暑い日が続く中、元気な子供たちが集まってくれました。
僕は前回のワークショップが時間ギリギリになってしまった反省を生かして、
時間内に終るように影山と作業の分担とスケジュールを見直してきました。

ではでは今日も朝から頑張っていきましょう!

木の色や樹齢のこと、寄せ木の作り方などを説明してから作業に入ります。


まずは糸のこ、経験のある子がいなかったのでマンツーマンです。

やっぱりこれが難しいみたい、学校の授業に糸のこをぜひ復活して欲しいです。


お母さんたちもアクセサリー作りに参加してもらって、
みんながもの作りモードのスイッチが入ってきました。

だんだんとヤスリの番手を上げていき、形が整い、
小さな傷が消えていくと作品が輝きはじめます。

塗装のオイルが染み込んで、木の表情が鮮明に浮かび上がると、
今日一日の頑張りが報われますね!


結局、閉館ギリギリの時間までかかってしまいましたが、
その分みんなよい作品になりました。

これまでの4回のワークショップで分かってきたのが、
とにかく僕と影山があきらめないこと、
絶対みんなよい作品ができると信じているのが大事だということです。
言い換えるとよい作品を作る場の雰囲気をつくるということなのかな。
人に教えるってたぶんそういうことなんだろうと思いました。

木はどんなに磨いても、宝石や金属のように誰もが分かるきらきらとした輝きは持ちません。
だけど自分で磨いた木のきらめきは特別なものがありますね。


「普遍的な美」なるものがあるのか、あるいはないのか、
僕には今だ分からないのだけれど(まぁそれはそれで追い求めるとしても)、
何を美しいと思うかは結局のところ人それぞれで、
その何かは見てきたもの経験してきたことでつくられていくんだろうと思います。
木の美しさが少しでも伝わっていったなら嬉しいことだなと思います。

伐木造材講習。

先日、林業センターに伐木造材講習に3日連続で行ってきました。
伐木とは立木を切り倒すことで、
造材はトラックなどに積む前に枝を払い、用途に合わせた長さに切ることです。
主にチェーンソーで作業を行うので、
その構造やメンテナンス、安全な使い方の講習を1日しっかりと受けます。
その後2日間で実際に木を切り倒すところまで作業講習しました。


いきなり立木は切れないので、前の講習で造材してあった木を使って、
チェーンソーの基本的な切り方を教わります。

木を切り倒す手順は、まず木を倒す方向を決め、
その方向に向かって「受け口」と呼ばれる切り込みを入れます。
パックマンの口みたいに三角形に切ります。
木はほぼ正確に受け口の方向に倒れるので、慎重に位置を決め切り込みます。
次に受け口の後ろから「追い口」と呼ばれる切り込みを入れていき、
完全に切り離さない所で止め、クサビを打ち込んで倒します。

古い切り株でも練習をして、午後はチェーンソーの刃を研ぎ直しました。

次の日、実際に立木を切り倒します。
影山が「追い口」を入れているところです。

切る人以外は切り倒す反対方向の退避区域で待機しています。

追い口にクサビを打ち込んでいきます。

写真の奥側が「受け口」で手前が「追い口」の切りあとです。
先生が指差しているところが「つる」と呼ばれる切らずに残しておく部分。
木の直径の10分の1程度の「つる」を残すことで、
木がゆっくりと正確な位置に倒れてくれて、切り倒す人の安全が確保されます。

クサビを入れ、木が「ミシッミシッ」と音を立てながら動きだし、
「ズド~~~~ン~~~ンン・・ン・・・」と深い音が森に響き渡ります。

「受け口」「追い口」「つる」の3つの構成は、
日本では1000年くらい前には既にあったとかで、
実際に切り倒して正確に木が動くのを体験すると「知恵だな~!」と感心してしまいました。

もうけっこう長いこと「木の仕事」をして来ているのだけれど、
初めて木の命をもらう瞬間を自分の手で体験できたことは貴重だなと思いました。
「ズド~~~~ン~~~ンン・・ン・・・」
この音をかすかでも響かせられるような作品を作っていけたら、せめてもと思います。

林業体験。

先々週のことですが、林業体験講座に行ってきました。
今回は梅雨明け真夏の下草刈りということで、
午前中にカマやナタの研ぎ方を習い、午後から森に入って下草刈りです。

カンナやノミであればしょっちゅう研いでいますが、カマは初めて。
先生の研ぎ方をよく見て、やってみればけっこうちゃんと研げました。

午後は森にでて、いよいよ下草刈り。
前回座学で勉強した正しい刈り払い機の使い方を思い出しながら、
安全、確実に作業します。
この日は晴れたり雨がぱらついたりして蒸し暑く、
長袖長ズボンにヘルメット着用がキツかったです。
前々回に植えた苗木の周辺を重点的に下草刈り。
まだまだ小さい木なので、草や他の雑木に負けてしまうので手助けしてやります。
長野県の参加者ばかりということもあり、基本的には刈り払い機が使える人が多くて、
作業は順調に進んで行きます。
幼い木の周りなどは刈り払い機よりカマの方が繊細に作業ができて便利でした。
背丈程もある長いカマは初めて使いましたが、よく切れて思った以上に作業性はよかったです。
森の中では、人が植えずとも、
木もれ日があれば次の世代の木がちゃんと芽を出していました。
春に芽吹き、秋に色づき落ちた葉が、土地を肥やし次の世代を育む。
新旧世代の交代が上手く行くことが森全体の寿命を延ばし、生態系を豊かにする。
人1人の寿命はどんどん延びて行くけれど少子化が進む人の社会と、
森林飽和する森がなんとなく重なって見えてきます。
個体の寿命を延ばすことを追求しすぎると、種全体の寿命(存続)は短くすることに繋がり、
世代から世代に手渡されてきたものも失われていく。
僕らは、そしてその子供たちは、
僅かな木もれ日に手をいっぱいに伸ばし守っていくしかない。
消費税が上がるという、高齢者福祉の財源になるという。
木もれ日は老木に降り注ぎ、若木は育たない。
個の寿命を延ばすことと、種の寿命を延ばすこと、その両立が難しいとすれば、
せめて木もれ日は奪わないで欲しい。
僕たちは次の世代に手渡すために必死に両手を伸ばしている。
老木が落としてくれた積み重なる葉を糧に。