林業体験、炭焼き。

年末年始と慌ただしすぎて、ようやく一息つきました。
針葉樹家具がヤマ場を迎えながらの年末に、
年始は人生の岐路なのでは!という話しをしに来客が海を越えてやってきて、
林業体験はといえば、やってきましたお泊まり炭焼き大会です。
炭火焼の焼き肉とか焼き鳥とかコーヒーとかを楽しんだんじゃなくて、
炭火焼をするため必要な「炭」を作る炭焼きです。

土の中に埋まった窯の中に材料をつめます。

窯の手前側の焚き口で火を焚きます。
この火は炭になる材料を燃やすのではなく、熱い空気だけを送るようにしてあります。
炭は木の燃えかすではなく、木を蒸し焼きしたようなものだそうです。
窯の後ろ側から煙がでてきました。

この日は日中でも氷点下、雪の地面からも寒さが体を上ってくるようです。

焚き口からぱたぱた扇ぐと、後ろからモクモク煙がでてきます。
この煙の色がだんだんと変わっていき、
最後は煙がでなくなると炭のでき上がりだそうです。

炭焼きは夜中までかかるので、待ち時間を利用して、
「鑑賞炭」というものをつくります。
鑑賞できる炭、ようは見て面白い炭を作ろうということです。

まつぼっくりやドングリ、ほうずきやバナナ、折り紙など、
とりあえずなんでも炭になりそうなものを缶に入れます。
火にかけること2時間あまり・・・。

まっくろまつぼっくりの完成。
鑑賞に堪えうるかどうかは、見る者の感性しだいといわざるをえません。
さて、夜中までかかるということは、お泊まりということ。
林業センターの宿舎に泊まります。
食事は自炊なので、火の番班と料理班に分かれます。

夜は宴会、ご馳走の準備です。
林業体験参加者の中にそば打ちをできる方がいて、影山が教わりながら挑戦中。
さらに猟友会の人もいて、鹿肉、熊肉、猪肉の差し入れがありました。
汁ものに焼き肉に美味しく食べました。
林業体験では木を倒して炭にするところまで経験でき、
ジビエまでいただけば、そうとうに森を味わった感じです。

夜になって寒さひときわ、
体の火の方を向いてる側はいいのですが、反対側は凍り付きそうです。
まだまだ煙が立ち上っているので、先は長そう。

宿舎での宴会の最中も交代制で火の番。
ようやく煙がでなくなってきました。

最後は焚き口を閉じ土で埋め、完全に酸素を絶ちます。
窯の内部が冷めるまで炭は出せないので、次の林業体験までお預けです。

次の日は、打って変わって林業や森林管理に置ける「GPS」や「GIS」の活用の講義です。
GPSはカーナビなどでお馴染みの衛星を使った位置情報のシステム。
GIS(geographic information system)はコンピューター上で、
地図情報と森林の状態(木の種類や土地の豊かさ等)、所有者等の情報を結びつけ活用するシステム。
なにやら今までの体験とはかけ離れたハイテクな世界に迷い込みました。

GPS片手に森の中に入って見れば、なるほどなるほど。

一度も行ったことのない森の中の目標物に迷うことなくピンポイントで到着です。
真冬の森の中で仕事をすることを考えると、なんとも心強い存在です。
もう森の中にラビリンスを描くことはできませんね。
実際の使用を想定すると、例えば林道脇に危険な倒木や枯れ木を発見した時、
GPSで位置を測位、GIS上にマークし、管理事務所に連絡、直ちに出動。
発見者は事務所に戻ることなく、次の管理現場で仕事を継続できます。
林業現場での事故や震災等の緊急時の利用等も考えると、
とても重要なシステムであることが分かります。
僕なんかは森に入ってこの木いいなぁと思ったら、
GISにマークして所有者を検索、購入の交渉に行くなんて考えると面白いですね。
GPS、GIS以前であれば、よいと思った木に戻ることができないとか、
誰に話しにいけば買えるのかとか、調べる労力だけでも大変なものです。
ようやく所有者に会えて木を見に行こうとして、
たしか南にあの山が見えて東にあの谷があって、えーと、
見たんすよ、ほんと見たんす!このあたり、いやあのあたり、
ほんとですから・・・すみませんでした。
便利な世の中になったものです。

木の赤ちゃんが雪と寒さにじっと耐えるの図。
人も木も春がまちどおしい今日この頃ですね。

take-g

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