林業体験。

先日、林業体験というかキノコ体験をしてきました。
まずは座学で森とキノコの切っても切れない関係を学びました。
キノコは生物のサイクルの中で還元者と呼ばれ植物や動物を分解し土に還します。
一般的な林では落ち葉だけでも1ヘクタール(100m×100m)あたり3トン落ちるそうです。
秋にはフカフカだった落ち葉の絨毯が
一年あまりで土に還るのはキノコなどの菌類のおかげだそうです。
僕が一番勉強になったのが、
キノコには大きく分けて腐生性のキノコと菌根性のキノコがあるということでした。
腐生性のキノコは落ち葉や枯れ木などから栄養を取って成長するキノコで、
シイタケ、マイタケ、エノキ、などです。
菌根性のキノコは樹木の生きた根と結合して菌根を作り、寄生的、共生的な生活をするもので、
マツタケ、ホンシメジケ、テングダケ、など。
僕は前々からマツタケも培養に成功すれば、うちの食卓にも並ぶ日が来るのではと思っていました。
中野市にはキノコ工場が沢山あるので、
キノコ生産者の人びと、がんばれ~!と密かに応援していた訳です。
ところがなるほどです。
まつだけ無駄、まぁここはまつたけ無駄というべきでしょうか、
腐生性のキノコは培養が容易であったり、可能性がありますが、
菌根性のキノコであるマツタケはアカマツの木の根に寄生(共生)して成長するので、
工場などでの計画的生産は、今のところ可能性はなさそうです。
ということでうちの食卓に並ぶ日も、まぁ、まつたけ無駄ということですね。
(マツタケなどの菌根性のキノコは木の根に寄生すると考えられてきましたが、
キノコが木から栄養をもらうだけでなく、
木の方もキノコから窒素や水分をもらうことが分かり、
菌根性のキノコは木に一方的に寄生するのではなく
互いに助け合う共生関係にあると考えられるようになりました)
ちなみに現在のマツタケの生産量(地物)は長野県がダントツのトップなのだそうです。
生産量自体はず~っと横ばいなのですが、他県の生産量が毎年落ちているとのこと。
マツタケ菌はデリケートなので、他のキノコの菌がいると競争に負けてしうので、
腐生性のキノコなどが生えないように、
木の下の枯れ枝や落ち葉を適度にきれいにする必要があります。
マツタケの生産量が落ちているのには、かつての里山のように薪を拾ったりと、
人が森に手を入れなくなったとことも原因だそうです。
マツタケは松と共生するだけでなく、人とも共生関係にあったといえるでしょうか。
マツタケがはえてくるのをまつたけではだめという訳です。
近年では松くい虫の害などでアカマツが枯れてしまいマツタケもいなくなってしまうそうです。
松がいてこその松茸という訳です。
さて、座学はこれぐらいにしまして、実際に森に入ってキノコを観察しにいきましょう。
というかキノコ採りに出かけました。


右は林業センターで育てているシイタケ。
左は毒キノコです。

シカさんの骨と、毒キノコ。

これは食べられるキノコ。

これも食べられるキノコ。

食べられるキノコを覚え、それだけを穫って食べればよいとの教えでしたが、
専門家でも判断が難しいものや、
去年まではおいしいキノコと図鑑で紹介されていたものが、
死亡事故が起きたため今年から毒キノコ指定ということもあるので、
素人が安易に手出ししてはいけない世界だと思いました。
食キノコ、毒キノコの判断は毒の成分が検出されるとかではなく、
今までに人びとに起きた症状や中毒事故による経験則が全てなのだそうですから、
美味しそうなどという直感はしまっておきましょう。
僕が小さい頃は赤くて白い斑点のあるキノコを食べると、
「トゥルルッ」という音がして大きく強くなれると聞かされてきましたが、
どうやら100%死ぬようです。
お気をつけ下さい。
食べてみるならならクリボーの方がよいかもしれませんね。
お昼に先生が調理してくれたキノコ汁をいただきました。
いろいろな意味で深い味わいがしました。
キノコに森にごちそうさま。
 

take-g

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