針葉樹について 一覧

長野朝日放送キャラクターりんご丸を寄木で!

こんにちは、テイクジー影山です。
先日、長野朝日放送さんのマスコットキャラクターである、
「りんご丸の楯」を制作させて頂きしました。

長野で採れた木を使いたいとのことで、
テイクジーの家具の材料にも使っている「カラマツ」を楯のベースにしています。

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他には6種類の木を使っていて、
眉は目は「黒檀(コクタン)」、
顔や手足は「イチョウ」、
葉っぱの部分は「朴(ホオ)の木」、
りんごは「マホガニー」、
蔕は「ウォールナット」、
お鼻は「ブナ」です。

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テイクジーとしてはたくさんの樹種を使うのはじめてでしたが、
うまく配色できたかなと思います。

最近はテイクジーの取り組みを知って頂いた方から、
「こんなものは作れませんか?」と問い合わせを頂きます。
今回はその中の1つが形になったのですが、
今後もこういった制作も頑張ってこうと思いますので、
皆さんの「こんなものは作れませんか?」をお待ちしています。

6/23(土)午後0時55分から1時間のTV番組 内で
「りんご丸の楯」が紹介させる予定ですので、
よかったらご覧になってください。

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カラマツの「学童用木製机・椅子」に思う。

今年に入って、忙しい日々があっという間に過ぎ、気づけば3月も5日です。

先日 、長野県工業技術総合センターにて行われた「針葉樹家具開発研究会」の講習会に参加して、
大変胸熱になったので報告です。

最近は寄木の作品に集中し、カラマツの家具のことは影山に任せきりでしたので、
久々に針葉樹のことを考える機会として絶好となりました。

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今回の講習の中心は長野県の多くの小中学校で使用されている
「学童用木製机・椅子」についてです。
この机と椅子は、平成元年から平成19年にかけて、県下82の小中学校に導入され、
長野県を代表する「カラマツ」という針葉樹で作られたものです。
カラマツは長野県川上村原産の針葉樹で、
寒さに強く痩せた土地でも育つので60年位前から長野県を中心に広く植林されました。
針葉樹の中では硬さがあり、木目がはっきりとしていて美しい木です。
しかし、昨年2月に毎日新聞や市民タイムスなどで、
「老朽化で児童のけが多発」「カラマツの机・椅子お別れ」との記事が掲載され、
松本市などでは一般的なスチールの家具に順次戻していくと伝えられました。

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(毎日新聞朝刊 2014年4月18日より)

そもそもの導入の経緯をまとめると、
現在日本では森林に木が増えすぎて困っているので、
地元の木で「学童用木製机・椅子」を作り、
森の循環と、子供の育つ環境を生み出したいということでした。
平成14年から17年「木の香る学校推進事業」
平成18年から19年「木の香る環境づくり推進事業」
などの補助事業も後押しして約2万セットが導入されたそうです。

資源の有効利用や地産地消など、いわゆる「エコ」な観点からも、
先進的で有意義な事業であり、
これを緒に日本における「森林飽和」の問題を解決していく道筋をつける
重要な事業であったと思います。
ですから木工関係者、とりわけ針葉樹家具を作る人たちにとって、
カラマツに彩られた教室がスチールに戻っていくのは、
ショックとしか言いようがないと思います。

問題は端的に言って「木は鉄に比べて弱い」からで、
丁寧に扱うこと、メンテナンスを行うなどの、付き合いが必要な素材だからです。
もちろんその「弱い」とは、
人が触れる素材の硬さとしては丁度よい柔らかさと硬さを持った木の魅力です。
倒しても、ぶつけても壊れないスチールの家具が当たり前となった教室で、
「木が香る」ことはありましたが「木を知る」ことは難しかったのかもしれません。

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なぜこの問題に僕と影山が動いているかというと、
僕らは3年前から「カラマツ」の学童用机と椅子を開発していたからです。
県に導入されていた学童用机と椅子が重くて掃除の時に移動しにくい、
壊れやすく、メンテナンスが面倒などの声を聞き、
これらの問題を解決できないものかと、アイデアを出し合いサンプルを製作していました。
昨年完成し方々に見せていましたがなかなか関心を引けないでいたところ、
件の新聞記事を読み「一歩遅かった・・」「いやいや今こそなのか」などと思い悩んでいました。

今回の講習会では、
今現在使われている学童用机・椅子を少しでも長持ちするようにとのメンテナンス方法の考察や、
塗装の再考など、活発な議論が行われました。
針葉樹家具の草分け的な年長者から僕らのような新人、県職員や塗料会社の方まで、
それぞれの立場、考え方で、話し合うことができました。
何より僕や影山は、針葉樹家具の先達の仕事の上に自分たちがいて、
それを引き継ぎ育てていかなくちゃいけないと感じることができました。

偶然なのか必然なのか、カラマツの家具は今年から県指定の伝統工芸品となりました。
スチールの家具に更新されていくタイミングでのこの意味を考えると、
カラマツ家具発展の旗印か、
伝統工芸品の多くがそうであるようにお墨付き無くしては継続できないものへの引導か、
今が曲がり角ではありそうです。

今現在でも「森林飽和」と言えるほどに木が増えすぎているにもかかわらず、
長野県だけでも毎年180万立方メートルの森林蓄積量が増え続けています。
それに対して毎年40万立方メートル「しか」使用できていないのが現状で、
平成に入ってからの約20年間で長野県の森林蓄積量はそれまでのほぼ倍に増えているそうです。

コストと効率を優先すれば、目の前にある森林資源よりも輸入材に頼ることになります。
少なくとも「木を知る」僕らが、もっと多くの人に木のことを伝えて
「木を知る」人を一人でも多く増やしていく必要であると改めて思いました。
木が増えるのが早いか、木を知る人が増えるのが早いか、
僕らにできることはまだまだありそうです。
もしこのことに何かをしなきゃと思っている方、少しでも興味がある方はぜひお声がけください。
一緒に考えていければと思います。

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林業体験、炭焼き。

年末年始と慌ただしすぎて、ようやく一息つきました。
針葉樹家具がヤマ場を迎えながらの年末に、
年始は人生の岐路なのでは!という話しをしに来客が海を越えてやってきて、
林業体験はといえば、やってきましたお泊まり炭焼き大会です。
炭火焼の焼き肉とか焼き鳥とかコーヒーとかを楽しんだんじゃなくて、
炭火焼をするため必要な「炭」を作る炭焼きです。

土の中に埋まった窯の中に材料をつめます。

窯の手前側の焚き口で火を焚きます。
この火は炭になる材料を燃やすのではなく、熱い空気だけを送るようにしてあります。
炭は木の燃えかすではなく、木を蒸し焼きしたようなものだそうです。
窯の後ろ側から煙がでてきました。

この日は日中でも氷点下、雪の地面からも寒さが体を上ってくるようです。

焚き口からぱたぱた扇ぐと、後ろからモクモク煙がでてきます。
この煙の色がだんだんと変わっていき、
最後は煙がでなくなると炭のでき上がりだそうです。

炭焼きは夜中までかかるので、待ち時間を利用して、
「鑑賞炭」というものをつくります。
鑑賞できる炭、ようは見て面白い炭を作ろうということです。

まつぼっくりやドングリ、ほうずきやバナナ、折り紙など、
とりあえずなんでも炭になりそうなものを缶に入れます。
火にかけること2時間あまり・・・。

まっくろまつぼっくりの完成。
鑑賞に堪えうるかどうかは、見る者の感性しだいといわざるをえません。
さて、夜中までかかるということは、お泊まりということ。
林業センターの宿舎に泊まります。
食事は自炊なので、火の番班と料理班に分かれます。

夜は宴会、ご馳走の準備です。
林業体験参加者の中にそば打ちをできる方がいて、影山が教わりながら挑戦中。
さらに猟友会の人もいて、鹿肉、熊肉、猪肉の差し入れがありました。
汁ものに焼き肉に美味しく食べました。
林業体験では木を倒して炭にするところまで経験でき、
ジビエまでいただけば、そうとうに森を味わった感じです。

夜になって寒さひときわ、
体の火の方を向いてる側はいいのですが、反対側は凍り付きそうです。
まだまだ煙が立ち上っているので、先は長そう。

宿舎での宴会の最中も交代制で火の番。
ようやく煙がでなくなってきました。

最後は焚き口を閉じ土で埋め、完全に酸素を絶ちます。
窯の内部が冷めるまで炭は出せないので、次の林業体験までお預けです。

次の日は、打って変わって林業や森林管理に置ける「GPS」や「GIS」の活用の講義です。
GPSはカーナビなどでお馴染みの衛星を使った位置情報のシステム。
GIS(geographic information system)はコンピューター上で、
地図情報と森林の状態(木の種類や土地の豊かさ等)、所有者等の情報を結びつけ活用するシステム。
なにやら今までの体験とはかけ離れたハイテクな世界に迷い込みました。

GPS片手に森の中に入って見れば、なるほどなるほど。

一度も行ったことのない森の中の目標物に迷うことなくピンポイントで到着です。
真冬の森の中で仕事をすることを考えると、なんとも心強い存在です。
もう森の中にラビリンスを描くことはできませんね。
実際の使用を想定すると、例えば林道脇に危険な倒木や枯れ木を発見した時、
GPSで位置を測位、GIS上にマークし、管理事務所に連絡、直ちに出動。
発見者は事務所に戻ることなく、次の管理現場で仕事を継続できます。
林業現場での事故や震災等の緊急時の利用等も考えると、
とても重要なシステムであることが分かります。
僕なんかは森に入ってこの木いいなぁと思ったら、
GISにマークして所有者を検索、購入の交渉に行くなんて考えると面白いですね。
GPS、GIS以前であれば、よいと思った木に戻ることができないとか、
誰に話しにいけば買えるのかとか、調べる労力だけでも大変なものです。
ようやく所有者に会えて木を見に行こうとして、
たしか南にあの山が見えて東にあの谷があって、えーと、
見たんすよ、ほんと見たんす!このあたり、いやあのあたり、
ほんとですから・・・すみませんでした。
便利な世の中になったものです。

木の赤ちゃんが雪と寒さにじっと耐えるの図。
人も木も春がまちどおしい今日この頃ですね。

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林業体験

先日、また林業体験に行ってきました。
先月も林業体験にはいっていたのですが、
忙しくて記事にしていなかったので合わせて書こうかと思います。
先月は間伐作業を勉強し、
今月は枝打ち、薪割り作業を勉強しました。
間伐は夏にも講座がありましたが、復習を兼ねて、立木を数本倒しました。
影山が伐倒しています。




狙った方向にきれいに倒れました。
今回は伐倒した木を短く玉切りし、薪割りをします。


薪ストーブは2回だか3回体を温めるなんて話をききますが、
慣れない薪割りは暖めるどころか汗がでるくらい体が熱くなりました。

影山は運動神経が良いからか、最初から薪割りが上手です。
いきなり太い丸太をパッカーンと割っていました。
お次ぎは枝打ちです。
腰に付けたベルトに結ばれたロープを立木に回し、
簡易的なはしごを利用して木に登ります。

木の上からの眺めはなかなかに爽快で、スポーツとしても楽しめそうだなと思いました。
最近、岩を登るボルダリング(フリークライミング)が流行っていると聞きましたが、
木に登って、おまけに枝打ちをして、森がきれいになる、
エダウチングを流行らすというのはどうだろうと思いました。
ぜひ、なにかの記者の方は「エコとエクササイズの新提案エダウチングが長野で静かなブーム!」
と焚き付けてみてはいかがだろう。
杉や松の小枝は、実際に火の焚き付けには最高だそうですよ。

枝打ちの目的は、枯れ枝や、日の当たりづらくなった枝を切り落として、
節の少ない木に育てることにあります。(木材の節は枝が生えていた跡)
節の少ない材料は美観が高いので、節の多いものに対して高値で取引されます。
きれいな木製品を作る以前に、きれいな材料を作るため、
​なんとも地道な作業があることに改めて思いいたりました。
 

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林業体験。

先日、林業体験というかキノコ体験をしてきました。
まずは座学で森とキノコの切っても切れない関係を学びました。
キノコは生物のサイクルの中で還元者と呼ばれ植物や動物を分解し土に還します。
一般的な林では落ち葉だけでも1ヘクタール(100m×100m)あたり3トン落ちるそうです。
秋にはフカフカだった落ち葉の絨毯が
一年あまりで土に還るのはキノコなどの菌類のおかげだそうです。
僕が一番勉強になったのが、
キノコには大きく分けて腐生性のキノコと菌根性のキノコがあるということでした。
腐生性のキノコは落ち葉や枯れ木などから栄養を取って成長するキノコで、
シイタケ、マイタケ、エノキ、などです。
菌根性のキノコは樹木の生きた根と結合して菌根を作り、寄生的、共生的な生活をするもので、
マツタケ、ホンシメジケ、テングダケ、など。
僕は前々からマツタケも培養に成功すれば、うちの食卓にも並ぶ日が来るのではと思っていました。
中野市にはキノコ工場が沢山あるので、
キノコ生産者の人びと、がんばれ~!と密かに応援していた訳です。
ところがなるほどです。
まつだけ無駄、まぁここはまつたけ無駄というべきでしょうか、
腐生性のキノコは培養が容易であったり、可能性がありますが、
菌根性のキノコであるマツタケはアカマツの木の根に寄生(共生)して成長するので、
工場などでの計画的生産は、今のところ可能性はなさそうです。
ということでうちの食卓に並ぶ日も、まぁ、まつたけ無駄ということですね。
(マツタケなどの菌根性のキノコは木の根に寄生すると考えられてきましたが、
キノコが木から栄養をもらうだけでなく、
木の方もキノコから窒素や水分をもらうことが分かり、
菌根性のキノコは木に一方的に寄生するのではなく
互いに助け合う共生関係にあると考えられるようになりました)
ちなみに現在のマツタケの生産量(地物)は長野県がダントツのトップなのだそうです。
生産量自体はず~っと横ばいなのですが、他県の生産量が毎年落ちているとのこと。
マツタケ菌はデリケートなので、他のキノコの菌がいると競争に負けてしうので、
腐生性のキノコなどが生えないように、
木の下の枯れ枝や落ち葉を適度にきれいにする必要があります。
マツタケの生産量が落ちているのには、かつての里山のように薪を拾ったりと、
人が森に手を入れなくなったとことも原因だそうです。
マツタケは松と共生するだけでなく、人とも共生関係にあったといえるでしょうか。
マツタケがはえてくるのをまつたけではだめという訳です。
近年では松くい虫の害などでアカマツが枯れてしまいマツタケもいなくなってしまうそうです。
松がいてこその松茸という訳です。
さて、座学はこれぐらいにしまして、実際に森に入ってキノコを観察しにいきましょう。
というかキノコ採りに出かけました。


右は林業センターで育てているシイタケ。
左は毒キノコです。

シカさんの骨と、毒キノコ。

これは食べられるキノコ。

これも食べられるキノコ。

食べられるキノコを覚え、それだけを穫って食べればよいとの教えでしたが、
専門家でも判断が難しいものや、
去年まではおいしいキノコと図鑑で紹介されていたものが、
死亡事故が起きたため今年から毒キノコ指定ということもあるので、
素人が安易に手出ししてはいけない世界だと思いました。
食キノコ、毒キノコの判断は毒の成分が検出されるとかではなく、
今までに人びとに起きた症状や中毒事故による経験則が全てなのだそうですから、
美味しそうなどという直感はしまっておきましょう。
僕が小さい頃は赤くて白い斑点のあるキノコを食べると、
「トゥルルッ」という音がして大きく強くなれると聞かされてきましたが、
どうやら100%死ぬようです。
お気をつけ下さい。
食べてみるならならクリボーの方がよいかもしれませんね。
お昼に先生が調理してくれたキノコ汁をいただきました。
いろいろな意味で深い味わいがしました。
キノコに森にごちそうさま。
 

take-g

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